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キリスト教弁証学ってどんなもの?

弁証学についてここでも少し触れましたが、弁証学がどんなものか理解するために、ショーン・マクドウェル氏が解説している内容を、例を挙げて少しご紹介したいと思います。

クリスチャンは、神が世界を作ったと信じていますが、無神論者はこう質問します。「その神を作ったのは誰なのか?」と。

皆さんならどのように答えるでしょうか。



これに対するショーン・マクドウェル氏の回答です。(少し簡略化しています)(引用元:http://www.apologeticsbible.com/video-archive/
「神を作ったものは誰か(何か)」という質問は、実は質問自体がカテゴリー錯誤です。例えば、ピンク色はどんな味ですか?色は目で感じるものですから、味はわかりませんね。この質問と同じ、カテゴリーの錯誤(詭弁)なんです。「透明人間はどんな姿か?」と言う質問も同じです。靴や時計は誰かが作ることができるものなので、誰が作ったか尋ねることができます。しかし、神は定義上、作ることができないものなのです。もし、神が作られたものだとすれば、それはもう神ではありません。
誰が神を作ったかと質問するのは、「誰が、作ることのできない創造主を作ったのか?」と質問することになります。
では、なぜこのような「弁証」が必要になるのでしょうか?「The Apologetics Study Bible for Students」の前書きでは、次の聖句で説明しています。
ただ、心の中でキリストを主とあがめなさい。また、あなたがたのうちにある望みについて説明を求める人には、いつでも弁明のできる用意をしていなさい。 
ペテロの第一の手紙/ 03章 15節
一方で、「弁証学」は、単に議論に勝つことが目的ではないと注意しています。「すばらしい議論をしても、愛がなければ何の益もない(コリント人への第一の手紙/ 13章 1-3節)」。また、「イエス様をお手本として、めぐみとまことに満ちていなければならない(ヨハネによる福音書/ 1章 14節)。」と、しています。また、「究極の弁証は、十分に理論的な議論ではなく、キリストの愛を体現する生活である。」と結論しています。

それでも「弁証学」に懐疑的な人のために、ショーン・マクドウェル氏はいくつかの例を示していますので、その一部をご紹介します。

一つは、傲慢で論争好きになってしまうのではという疑問があります。これに対して、彼の実体験から、人は、自分がなぜ信じているのか、何を信じているのかよくわからないときにこそ、自己防衛意識が過剰になってしまって、論争的になってしまうのだということです。彼が講演の聴衆に対して、自分が無神論者の立場のロールプレイをして質問に応じると、たいていのグループが、イライラして、守勢になり、論争的になるのですが、そうしてそうなったか理由を尋ねると、その通りなのだそうです。

もう一つ挙げると、「弁証学」は人を信仰に導かないのではないかという疑問です。これに対して、彼は、論理的思考だけでは、人を信仰に導くことができないのはその通りだが、神様はいつも、論理的思考を使って、人を自分のところに引き上げることがあるのだと言います。つまり、「弁証学」を通して、神様ご自身が人を引き上げるのだということです。また、「弁証学」の役割を誇張しないことは重要だが、その力を完全に退けてしまうのは間違いであり、避けなければならないと主張しています。

キリスト教があまり根付いていない日本で、このようなアプローチが少しでもその垣根を低くしてることを願いたいものです。

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